出版年月:2007/10/25
出版社:白水社

本書の表紙をパッと見ると、「ジャズばか考」に見える。
児山さんにとっては、嬉しい言葉かもしれない。

児山さんの著作は雑誌以外にないであろう、よって本書は貴重。

児山さんは、1936年堺生まれ。
スイングジャーナルの編集長を17年間務めた。
82才の晩年に初めて自身のジャズ人生を振り返った。

実家の家業が傾き読売新聞社に勤めながらジャズ喫茶に通ったのが始まり。
その間、関西大学の夜学に通った。
ジャズにのめり込んだ児山さんは1960年末に上京し日本ダウンビートの編集部員となった。
そして、日本ダウンビート廃刊のためスイングジャーナルに移籍し、1967年から編集長となった。
そこで児山さんが企画したのが毎月1枚の推薦盤を選ぶ「ゴールドディスク」。

本書を読むと、児山さんのジャズに対する愛と考えが良く分かる。
しかし、手柄自慢的な部分もある。
以下、気付き。

・児山さんの信条は、当然だが、ミュージシャン
・音楽第一。
・FMのDJを1966年4月の試験放送時から担当。
・1979年5月に日本フォノグラムに転職するも2年で辞める。
・ボックスセットを多く制作していたので、「BOXMAN」というあだ名を付けられた。
・1990年2月からスイングジャーナル編集長に復帰。しかし、1993年にまた辞める。
・Contemporaryのスタジオは、事務所隣の倉庫の片隅。
よって、リラックスして開放的なサウンドになったのでは?
・秋吉敏子はグラミー賞に14回ノミネートされているが、一度も受賞してない。「ガラスの天井」か。
・児山さんは現在、千葉県柏市に住む。その地域の文化事業に貢献している。
・週4日はラジオ番組の選曲をしている。
・2007年開始のジャズ・トゥナイトのディレクターは、田村直子さん。
その制作は、シャララ・カンパニー。